恋愛心理テクニック講座、今回は人間が根本的に変化を嫌っている生き物、というコトにまつわる、現状維持バイアスとホメオスタシス、それからコンフォートゾーンという3つの心理テクニックについて紹介しますね。
使用タイミング
- 告白
- 復縁
現状維持バイアスに代表される人間が変化を嫌う心理は、告白や復縁などで意識的に使うと特に効果を発揮します。
- サクッと整理!
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現状維持バイアスとは
現状維持バイアスとはシンプルに、今のままがいいなー、と人間は誰でも無意識に思ってる、という心理。
ヒモ男だとわかってるのに次の彼氏が見つかるかわからないからズルズル付き合い続けてる、とか、転職した方がいいのわかってるけど今のままもいいよなーとなかなか行動できなかったり…。それが現状維持バイアス。
ホメオスタシスとは
ホメオスタシスとは、心理学というより人間の体が持っている機能で、気温や湿度、仕事でのストレスなどなど、いろいろ外界が変化しても体内の血圧とか体温、ホルモンバランスなどはできるだけ均一の状態にしようとし続ける働きの事。
つまり人間の体自体がそもそも変化を嫌ってる、という話。イメージで言うと人間はホメオスタシスがあるから現状維持バイアスっていう心理が起こるんだよね、という感じ。
コンフォートゾーンとは
コンフォートゾーンとは、快適ゾーンの英語版。その名前まんまの意味で「人が快適にストレスなく過ごせる範囲」の事。
こちらも人間は変化のないいつも通りの範囲(コンフォートゾーン)にずっと居たいから、現状維持バイアスが起こるんだよ、という感じ。
恋愛心理テクニック「現状維持バイアス」の実践例
例:告白シーン
- 1か月だけでいいから試しに付き合ってみてほしい
いきなり上記の告白をするのではなく告白相手がOKしようか断ろうか迷ってる、それか押しに弱い性格の場合、ダメ元で1か月だけでいいから、とか3か月だけでいいから、とかお試しで付き合う提案をしてみると意外に通る事があります。
現状を変えたくないから「付き合いたくないな」と思っている場合、その気持ちをやわらげ1か月お試しならまた付き合ってない状態に戻れるし、それくらいならいいかな、と思ってもらえやすいです。
また1か月付き合ってるとそれが今度は相手にとっての現状になるので、今度は付き合っている状態に現状維持バイアスがかかり、お試し期間後も別れにくくなります。
講座:現状維持バイアスについて
ここから下は変化を嫌う心理である、現状維持バイアス、ホメオスタシス、コンフォートゾーンの3つについてその由来や行われた実験など、そういった心理テクニックの裏付け部分を紹介してますので、読みたい方だけ読んでみてくださいね。
現状維持バイアスの実験
現状維持バイアスの心理実験としては、カーネマンさんという行動経済学者が行ったマグカップ実験があります。
マグカップ(6ドル相当)を1人1つずつ持ってる売り手側のグループ、それから現金を持ってる買い手側のグループに分け、それぞれにそのマグカップに値段をつけさせると、マグカップを持ってる側は平均7ドルで売りたいと言い、買い手側は平均して3ドルなら買うと答えた
この実験は自分の持ってるものに愛着を感じ価値を高く感じちゃう「保有効果」、それから現状からの得よりも損を避ける心理「損失回避の心理」も大きく働いてるんですが、そういったのもまるっと全部ふまえて、結局、とりあえず現状維持したい、っていうのが人間というコトがわかります。
ホメオスタシスについて
ホメオスタシスは環境に変化があっても、人間の体は現状維持するために頑張っちゃうんだよー!っていう体の機能なので特に心理実験とかはないです(そもそも心理学じゃないですよね)。
コンフォートゾーンについて
コンフォートゾーンについては、名前は「快適ゾーン」なので、なにやらいい心地の響きですが、この言葉が使われるタイミングはけっこう悪い意味、ネガティブな意味でつかわれることが多いです。
「コンフォートゾーンを抜け出せない…」であるとか「コンフォートゾーンを広げたい…」みたいな感じです。
いくら人間が変化を嫌うと言っても完全に変化のない状態はよくないよね、ちょっとは変化しないとチャレンジもしなくなっちゃうし…、というコト。
新しいことを始めるのって最初はなんでも億劫に感じますよね。新しい趣味だったり、転職だったり、新しい恋人探しだったり…。
その”億劫さ”こそが現状維持バイアスであり、ストレスであるんですが、逆にそのストレスを乗り越えると今までよりも広い範囲をコンフォートゾーンと感じれるようになったり、新しい世界が広がったりといいこともあるよね、という感じ。
人間は、縄文時代などだと、変化の大きい場所で生活していたので、いくら変化を嫌っていてもしょうがなく変化に巻き込まれていたのかなーと思います。でも現代だと本当に変化のない状態で何年も過ごすことができちゃうので、人間のもともと持つ根源的な心理と取り巻く環境が現代だと合わなくなってるのかもしれません。