恋愛心理テクニック講座、今回は一貫性の原理という心理テクニックについて紹介します。
最初にザクっと書いておくと一貫性の原理とは、人は一度決めた事を変えたがらない、という心理のコト。
使用タイミング
- デートの約束を取り付ける
- マッチングアプリでの食いつきを上げる
- 恋愛対象として意識させる
一貫性の原理はデートなどの頼み事、それから相手の好感度を上げる時に使う恋愛心理テクニックになります。つまり恋愛のホントの初期の段階で効果が大きいんです。
- サクッと整理!
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一貫性の原理とは
一貫性の原理とは、上でもちょっと書いたみたいに「一度こうだと決めたらそれを変えたくない!」という人間みんなが持ってる基本的な心理のことです。
ちょっと言葉だけではイメージしづらいですよね。例えばなんですが皆さんこんな経験があると思います。
- あっちの店の服とこっちの店の服、どっちを買おうかな…。似てるんだけどなー…。うーん、迷う
- よし!決めた!こっちの服にしよう!
- こっちの服の方が在庫少ないっぽいし(後付け)
- こっちの服の方が色合いがちょっとだけ素敵だし(後付け)
- 値段がちょっと高いけどその分洗濯に強いだろうし(後付け)
- この店スタンプカードのアプリもあるらしいからスタンプ貯めれてお得だし、店員さんも親切だったし(後付け)
こんな風に一度決めたら後乗せサクサクで、脳内でどんどんその決断を正当化、というかどんどん太くて強固なものにしていく事ってありますよね。
これがまさしく一貫性の原理なんです。すっごく身近な心理ですよね。
一貫性の原理は「コミットメント」がキモ!
またややこしい「コミットメント」なんていう横文字が出てきちゃいました。コミットと聞くと一昔前のライザップかな、と思われるかもしれません。
一貫性の原理における「コミットメント」というのはようは「自分で決める」という事。
そりゃ自分で決める以外にないでしょ、と思いがちなんですが、例えば、宿題や仕事のようにほかの人に言われて無理やりやらされる、とか、お金などの報酬目当てでやる、とかそういう場合は自分で意思決定したわけじゃないですよね。
こんな風に人に言われて渋々 or 報酬目当ての場合はコミットメントがない、という風にいうんです。なのでこの場合は一貫性の原理が働きません。
子供のころを思い出してもらうとわかりやすいんですが、親や先生に「宿題やりなさい!」と言われ「そうか!宿題やらなきゃ!」「そうだよ、宿題やれば頭よくなるし、脳トレにもなる、こないだ買ったシャーペンも使いたいし…(全部後付け)」みたいに服買う時みたいに後乗せサクサクで理由を増やしたりしなったですよね。
逆に宿題ではなく、自分の中で目標校を決めた受験勉強などでなら勉強にも熱が入ったんじゃないでしょうか。
なにが違うかっていうと、人間って自分で決めた事は「正しかった!」と思いこみたい生き物なんです。「間違いじゃないんだ!」って思いたいんです。だから服買うときも一度どちらを買うか決めたらその選択が間違いじゃなかったと思いたくて、理由を後から次々作りあげるんです。
と、つまりこんな風に一貫性の原理が働くためにはコミットメント(自分で決めたという事実)が必要なんです。
一貫性の原理を使うにはコミットメント(自分で決めたという事実)が最も重要!
恋愛心理テクニック「一貫性の原理」の具体例
一貫性の原理についてくわしく見たところで、さっそく一貫性の原理の具体的な例を見てみましょう。
例:「恋愛対象として意識させる」シチュエーション
- あなた:今あの資料持ってる?
- 相手:持ってるよ
- あなた:ちょっと貸してくれないかな?
- 相手:いいよ
- あなた:ありがとう、助かるよ!
- 【その後日】
- あなた:そういえば今度出張なんだって?
- 相手:うん、大阪に
- あなた:へー、大阪かー
- 相手:うん、大阪
- あなた:行ったことあるの?
- 相手:おばあちゃんの家が近畿だから何度かは
- あなた:お、そうなんだ。なら本場の情報にくわしいわけだ
- 相手:いや、本場って笑。子供のころの話だからあんまりわかんないよ
- あなた:とりあえず本場の目利きのお土産よろしく!
- 相手:いや、だから本場じゃないんだって笑
- あなた:まあ楽しみにしてるよ笑
恋愛対象として意識させる、つまり好感度を上げる時の一貫性の原理の具体例はこんな感じになります。
なんでもいいんですが小さな頼み事から徐々に大きな頼みごとに変えていくのがミソ。
例だと「資料を借りる」になっていますが例えば学生なら「こないだのノート取ってる?」などがおすすめ。
こんな風な小さな頼み事をして、そのあときちんとお礼を伝えています。人って結局人に認められたいし感謝されたい生き物なので、感謝されたら「なんか嬉しいかも、こんだけちゃんと感謝してくれるならこの人の頼みならまた聞いてあげてもいいかも」と思うんです。この「また頼みごと聞いてあげてもいいかも」が一貫性の原理。自分で決めてるのでコミットメントの問題もオッケーです。
土台ができたのでこの次はもう少し強めのお願いをしていきます。
例では後日その相手が出張に行くことになったシチュエーションになっていますが、例えば学生なら旅行や部活の遠征などが該当すると思います。またそれ以外でも例えば相手がペットを飼っているならペットの写真や動画を撮ってきてほしい、などもいい頼み事だと思います。
とりあえず「ちょっとモノを借りる」よりもほんの少しだけ相手の負担が重い頼み事なら何でもオッケーです。
そしてこの頼み事もクリアしたら、またもう少し相手の負担が重いお願いを聞いてもらって…、とだんだんと階段を上るようにお願いの大きさを上げていくんです。
そうすることで自然と相手の中であなたに対する関心が大きくなっていきますので、これまでただの同僚やクラスメイト、それから星の数ほどいるマッチングアプリの一人の相手、という関係から大きく前進できます。
ちなみにこの恋愛心理テクニックをフットインザドアといいます。
例:「デートに誘う」シチュエーション
- 【雑談中、花見の話になった際】
- あなた:そういや外国にも桜見れる場所あるんだって
- 相手:そうなんだ
- あなた:ものすごいブルジョアだけどあえて日本人なのに海外の桜見に行ってみたいよね
- 相手:確かに、ちょっと見てみたいかも
- あなた:宝くじで一等当たったら一緒に行こうか
- 相手:うん、その時はよろしく笑
- 【お昼に手作り弁当を見ての雑談中】
- あなた:へー、え、毎日自分で作ってるの?
- 相手:いや、今日はたまたま。昨日の残りもの詰め込んだだけだよ
- あなた:すごいじゃん。オレが大富豪なら専属家政婦として絶対雇ってる。ヘッドハンティングしてる
- 相手:家政婦笑。んでヘッドハンティングって笑
- あなた:いや、ホント美味しそう
- 相手:ありがとう笑
- あなた:専属家政婦の件、考えといて。住み込みで働いてもらうから。ちょっと今からビットコインで億万長者目指す
- 相手:うん、わかった笑
デートに誘う際に一貫性の原理を使う具体例はこんな感じ。
いや、デート誘ってないじゃん!だと思うんですが、一貫性の原理を恋愛で使う際は、一つ目の例もそうだったんですがこんな風にあらかじめ種まきをしておく使い方がメインになります。
また、これは「たとえば~」手法を使った一貫性の原理。
「例えば一緒に住むとしたらどんな家がいい?」「例えば私たちが結婚したら子供は何人くらいほしい?」…これらはカップルになってからの会話ですが、こんな風に「例えば」というもしもの将来の話を雑談時にする事で、相手の中でとっても小さなコミットメントが形成されるんです。結婚まで考えてなかったとしてもほんのり無意識の中に結婚のイメージが刷り込まれますし、家のイメージも子供の数もほんのり刷り込まれるんです。
今回の例では、後日あなたが相手をお花見に誘った際「そういえばお花見行くって話してたよなー」と思ってもらえやすくなります。もしもの話の中だとしても一度イエスと答えているので、実際のお花見デートについても一貫性の原理が働いて「あれはもしもの話だったよなー、でもイエスって言ってるしなー、それに私どちらかというと桜好きな方だしなー、この季節の外での飲み食いって気持ちいいし(後乗せの理由)」でオッケーをもらいやすくなります。
二つ目の具体例でも、今後例えば「一回、オレの分のお弁当作ってきてもらえない?」とかも「そういや家政婦の話してたなー、でもいっか。自分だけで食べるより味の感想とかもらえた方が上達するかもだし、なんか人にお弁当作るの新鮮だし(後乗せの理由)」イエスをもらいやすくなりますし、自宅に誘った際もオッケーをもらいやすくなります。
注意:無報酬がキモ!
口酸っぱく言っているのでそろそろ耳にタコかもしれませんが、一貫性の原理を使うにはコミットメントが大事で、そのためには無報酬というコト、これは最後まで貫いてくださいね。
例えば上記の好感度アップの具体例でも「お土産買ってきてよー、今度俺も買ってくるからさ」とかは実際に買うとしても伝えてはいけません。そうすると相手の中の自分で決断した感が薄れてしまい「あなたからお土産もらうために自分も買ってくる」になってしまいます。
そのほかよく言ってしまいがちな失敗例が「今度ごはんおごるからさ」などです。ついつい言ってしまいがちですが言わないように要注意!
例:「決めつけトーク」のシチュエーション
最後に、一貫性の原理をものすごくアグレッシブに使う方法を紹介しておきますね。
- 【雑談中】
- あなた:ていうか○○君って絶対行動力あるよね
- 相手:え?いや全然ないと思うけど
- あなた:さっき仕事で一番最初に資料仕上げてたし、こないだもメルカリで即決してたし
- 相手:いや仕事はただ単に作成が慣れてただけで…、んでメルカリはめっちゃ欲しかっただけだよ
- あなた:いやーそれはもう行動力あるって、絶対
- 相手:そうなのかなー、まあそうなのかも
決めつけトークは相手の価値観を固定できる、一貫性の原理の裏技?的な使い方です。人間ってそこまでどっち派っていうの普段固定してないと思うんです。時々優柔不断だし時々行動力あるし…、時々優しいし時々冷たい、そんな人がほとんどかなと思います。
なのでこういう決めつけトークってだいたい誰にでも当てはまるんですよね。
だから相手の価値観をあなた好みに固めるのにこの「決めつけトーク」は使います。
例えばあなたが相手より年上なら「てか、○○さんって絶対年上好きだよね」みたいにいきなり放り込む感じ。
あとはその裏付けとなる理由を適当に2,3個つければ「うーん、あんまり言われたことなかったけど、そう言われればそうなのかも…」相手が勝手に一貫性の原理の状態になってくれます。
そうなれば年下ではないあなたも当然恋愛対象に入りますし、そんなふうにして少しずつ相手の価値観を自分に適した状態に持っていきます。
具体例の場合、「そうか、オレって行動力あるのか」と思ってるよう状態で、少なくともそれを言ってくれたあなたと会話する際は自身の行動力について意識します。
なのでデートに誘う際など「そういえば、今度新しいイベントあるの知ってた?」と聞いて「んじゃ一緒に行こうよ」と話を進めた場合、「行動力あるって言われてるんだから新しいものには触れておかないとなー」となってオッケーしてくれやすくなります。
注意点は決めつけトークで決めつける価値観は「行動力がある」とか「優しい」とかそういうポジティブなものにしてください。じゃないと相手は急に人から「てかめっちゃ冷たいよね!」とか「○○ってものすごい優柔不断だよね」って言われることになるので反感がすごいです。
講座:一貫性の原理について
ここから下は一貫性の原理についてその由来や行われた実験など、そういった心理テクニックの裏付け部分を紹介してますので、読みたい方だけ読んでみてくださいね。
一貫性の原理の由来
由来というのかいつ有名になったのか、という話になるんですが、一貫性の原理はロバート・チャルディーニというアメリカの心理学者が出した「影響力の武器」という本で一気に世間に広まったのかな、と思います。
この影響力の武器という本自体とても売れた本で、心理学の本というよりも心理学をどう使えば実際のコミュニケーションや営業、恋愛などに生かせるのか、という少々危険な?香りのする超実践的心理学の本になっています。
日本にも「人を操る黒い心理学」のような本が多数ありますが、あれの元祖?のような存在だと思います。恋愛にも活かせることがたくさん書いてありますし、一度読んでみるのもおすすめだと思います。
ただめちゃくちゃ文字が小さくびっしりでさらに分厚い本なので途中で断念してしまうかもですが…。
一貫性の原理の実験
一貫性の原理について検証した心理実験に関してはフットインザドアについての実験が有名です。
ここまでお茶を濁して書いてきたんですが、一貫性の原理は土台になる心理学で、一貫性の原理を使った実戦的な心理テクニックとしてフットインザドアやローボールテクニックなどがあるんです。
一貫性の原理(基本)⇒フットインザドアやローボールテクニック(応用)みたいな感じでとらえてくれてたらオッケーです。
で、フットインザドアの記事の方にくわしくどんな実験だったのか書いたので「どんな実験だったのか気になる!」という方はぜひ読んでみてくださいね。