【恋愛心理テクニック講座】好意の返報性とは

最終更新日:2025年6月28日

恋愛心理テクニック講座、今回は好意の返報性という心理テクニックについて紹介します。

最初にザクっと書いておくと好意の返報性(というか返報性の原理)とは、「相手は自分の写し鏡」ってヤツです。

笑顔で接してくれる人にはこちらも自然に笑顔になりますし、いつもむすっとしててイライラしてる上司や先生にはこっちも不愛想になっちゃいますよね。

使用タイミング

  1. なし

好意の返報性を恋愛で使用するのはおすすめできないです…。普段このコンテンツでは恋愛心理テクニックを会話の具体例や使用タイミングなどを細かく紹介してるんですが、好意の返報性は使おうとして使うと逆効果。

最初に口酸っぱく言っておきますが、好意の返報性をあえて使おう!とはしない方があなたの恋愛は上手くいく事が多いです。

サクッと整理!

返報性の原理とは

上でもちょろっと書いたんですが返報野性の原理とは、相手の態度と同じような態度をこっちも取っちゃうよ、っていう人間の根源的な心理。

小さな子供が元気に遊びまわってるのってかわいいですよね。公園とかで見るとついついこちらまで笑顔になっちゃいます。で、その子供ってたぶんすごい笑顔なんですよね。めっちゃ笑ってる。

例えば子供は子供でもまったく笑ってなくていつもつまらなさそうにしてる子供なら、親はそりゃそれでも可愛いと思うでしょうが、赤の他人の私たちがちらっと公園とかでそんな子供を見たとしてもコチラが微笑んじゃうくらいにかわいいって思わないはず。

犬や猫も可愛いですが、例えばめちゃくちゃ殺気立ってる犬や猫は可愛くないですよね。

笑顔には笑顔、不愛想には不愛想、ケンカ腰にはケンカ腰、がそれぞれブーメランのように返ってくるよ、っていうのが返報性の原理。好意の返報性はそんな返報性の原理という心理の中で笑顔とかそういうポジティブなものだけを取り上げた心理テクといえます。

好意の返報性を恋愛で使っちゃいけない理由について

こんな風に好意の返報性っていうのはどっちかっていうと言う内容や言葉とかよりも表情なや態度などで自然と感じるものなんです。

「ありがとう!」とか「すっごい頼りにしてる!」と好意を伝えたところで、その時の表情が笑ってなくて目が死んでたら言われても嬉しくないですよね。ようは本当に何を言うかよりも態度、表情が大事。

いつも笑顔の人だからその人になんとなく好感を持ったり、反対にいつも小声でボソボソ言ってて目も合わせてくれないからなんか不愛想でやな奴だなって思ったりするんです。これが返報性の原理。

なので恋愛であえて好意の返報性狙いで大げさに片思いの相手に好きの気持ちを伝えたりするとすごく不自然になるんです。返報性の原理は態度や表情などの部分に現れる側面が強いと書きました。

だから返報性を狙いすぎて、何しゃべろう、どう好意を伝えよう、とか考えてしゃべると緊張もするし会話の間も不自然になるし、笑顔もぎこちなくなりますよね。

そうして不自然になればなるほど、逆になんか変な人だな、と思われてしまうリスクがあるんです。空回りしちゃうというか。

なので好意の返報性は恋愛で狙うんではなく、自然にいつも笑顔!それくらいのスタンスで取り組むのが一番あなたの魅力を引き出してくれます。

あえて書くなら片思いの人が言った内容に対してちょっと大きめに笑顔でリアクションする、くらいの感じでいいです。

もう一つ使わない方がいい理由

あともう一つ、好意の返報性を恋愛で用いない方がいい理由があって、それは好意の返報性が発生するにはそれが善意の行動である必要がある、っていう点。

つまり裏があったらダメなわけです。裏の思惑がありつつ相手に親切にしてもあまり効果がないんです。

恋愛についていうと、もう下心ありありですよね。彼(彼女)となんとか距離を縮めたい!っていう気持ちで返報性狙いで好意を伝えても、それって善意の行動じゃないのでよくないんです。恋愛の感情自体は素敵なものなのですが相手への善意ではないですよね。あなたの「彼(彼女)と付き合いたい!」っていう気持ちから出た行動なわけですから。

相手の事を本当に思って行われた善意に対しては善意を返したくなる、っていうのが好意の返報性です。

恋愛で好意の返報性は…、

  • 狙って使おうとすればするほど相手からすると不自然な格好に…。いつも自然に笑顔で!くらいのスタンスが吉

恋愛心理テクニック「好意の返報性」の具体例

普段はこの項でその恋愛心理テクニックの具体的な使い方を書いてるんですが、好意の返報性は恋愛で使うとリスクが大きいので具体例の紹介は今回ありません。

あえて書くのであればきれいな笑顔の練習をお風呂とかでするとけっこう効果的。きれいな笑顔ができれば恋愛だけでなくコミュニケーション全般でものすごく役立ちますので、ぜひやってみてくださいね。

…ただこのコラムは心理学についての内容となっていまして、またわたしも表情については自己流でやっているだけなので、きれいな笑顔の作り方についてはyoutubeなどで解説動画を見てもらう方がはるかに情報が手に入ると思います。

講座:好意の返報性について

ここから下は好意の返報性についてその由来や行われた実験など、そういった心理テクニックの裏付け部分を紹介してますので、読みたい方だけ読んでみてくださいね。

返報性の種類

今回は返報性の原理の中で好意の返報性についてだけ触れてました。

それ以外にも、

  • 好意の返報性
  • 敵意の返報性
  • 譲歩の返報性
  • 自己開示の返報性

と、大きく分けて4つくくりがあります。

好意と敵意はわかりやすいと思います。上で見た相手が笑顔だからこっちも笑顔、相手がなんだか怒ってるからこっちも不愛想、ってやつです。

「譲歩の返報性」っていうのは簡単にいうと「さっきレストランで多めに払ってもらったから、コーヒー代は私が出すよ」ってやつです。なるべく借りを作りたくないというか、さっきそっちが譲歩したから今度はこっちが譲歩しなきゃ、っていう心理です。お中元や年賀状もこの譲歩の返報性に近いかもしれませんね。…そう考えると譲歩の返報性にはちょっと煩わしい一面もありそうです。

「自己開示の返報性」は恋愛でも使えると思います。自己開示の返報性とは、ザクっというと「実はオレ苦手なものがあって…」って自分の事を相手に話すと相手も「あ、この人には自分の苦手なものくらいは話してもいいんだ」って思って、自然と相手も自己開示しやすくなる、というもの。

よくドラマとかで上司が悩んでる部下の悩みを聞く際に、「オレも昔は…」って昔の苦い経験を語りだしたりしますよね。あれです。

恋愛で使うなら過去の恋愛の失敗談やなぜ失恋や破局になったのかを自分から自己開示すると、片思いの相手も、そういった自分の恋愛の話をしやすくなるので、自然と深いプライベートな会話に発展しやすくなります。

好意の返報性の実験

好意の返報性の実験としては、デニス・リーガンという心理学者の行った実験が有名で、こんな実験でした。

仕掛け人(A)と仕掛けられる人(B)が2人1組になっていて…、

  1. Aはジュースを自分の分だけ買っていき、その後Bに「クジ買ってくれない?」と頼むケース
  2. AはBの分もジュースを買っていき、その後Bに「クジ買ってくれない?」と頼むケース

クジっていうのはたぶん日本で言うところのスクラッチくじのようなものだと思います。

で、結果は相手の分のジュースも買っていった方が2倍クジを買ってくれる率が高かった、という実験結果になりました。

…ただこれって好意もあるかもしれませんが、譲歩の返報性の方もあるのかなーと思います。

「えー、ジュースおごってもらっちゃったしなぁ…、ここで断るのもなぁ…」ってたぶん結構多くの被験者差が思ったと思うんですよね。

と、こんな風に好意の返報性って狙って使おうとすればするほど、相手に負担を与えることにもなるので上でも書いたように、好意の返報性を使おうとするんじゃなく「笑顔で自然に接する!」くらいのスタンスで取り組むのがベストです。