恋愛での会話テクニック、というよりもっと広く、仕事や家庭などオールマイティに使われる会話テクとしてバックトラッキングという手法があります。なにやら難しい横文字ですがバックトラッキングとは”相手が言ってきたことをそのままオウム返しにする”、というやつです。「あいて:髪切ったんだー♪」「あなた:へえ、髪切ったんだねー」です。
このバックトラッキング(オウム返し)がウザい、だったり意味ない、と感じられる方が多いのも事実。そうなるとせっかく恋愛でバックトラッキングを使って会話してみたものの、相手に嫌われたりウザいと思われたらマイナスしかないですよね。
という事でここではバックトラッキングがなぜウザがられるのか、意味ないとまで言われるのか、その原因と対処方法をくわしく紹介します。
バックトラッキングがウザい理由
「バックトラッキング ウザい」とかで検索される方の多くはたぶんバックトラッキングを誰かに会話中やられて「うわ、うざ…」って感じられたのかなと思います。けっこうウザいですもんね、相手がバックトラッキングしてるって気づいちゃうと。気づかないと別に何も感じないんですが…。
で、バックトラッキング(オウム返し)がウザく感じちゃう理由なんですが、それってずばり、
手を抜いて会話してるでしょ、あなた
が理由だと思います。
こっちはそれなりに真剣に会話してるつもりなのに相手はこっちの言ったことをオウム返しするだけで、何も会話に熱が入ってない。それどころか雑貨屋さんに時々置いてある、こっちの音声を数秒遅れでボイスチェンジして甲高く話すぬいぐるみみたいにまさしく機械みたいなやりとりばっかりしてくる。
「なんでこっちばっか提案したり会話を広げたり努力しなくちゃならないの?超ウザいんだけど…」ていう事だと思います。結局自分と相手の熱量の差に白けちゃうんですよね。
でもなんですが…、
明石家さんまさんも多用してる
バックトラッキング(オウム返し)がウザいと言われる理由が、会話への手抜き感、という事でした。
ただこのオウム返しの会話テクは恋愛だけじゃなくて、本当に広く一般的に使われてるものなんです。例えば明石家さんまさんはトーク番組でゲストのトークを聞く際、相槌をよく打つことで有名なんですが、「ほう、んで原宿に行ったわけや、ほんでほんで?」と会話のテンポを作っています。
この時明石家さんまさんは特に面白いことは言っておらず、まさしくバックトラッキング(オウム返し)してるだけなんですよね。
でもこれを見て明石家さんまさんが会話の手を抜いているとか、明石家さんまさんの会話がウザいと思う人はあまりいないと思います。むしろ反対に「へー、よくこんな上手に相手の話を転がせるな…」と感心される方の方が多いんじゃないでしょうか。
ウザいとか意味ないと言われるバックトラッキングとこの違いは何なのでしょうか。
理由:会話に感情がこもっているから
明石家さんまさんだけじゃないんですが、芸能人の方って本当に喜怒哀楽の表現が大きくてダイナミックですよね。明石家さんまさんもオウム返しでリアクションを取ってるときは過剰なくらい笑ったり、驚いたり、心配そうな顔になったりと本当に表情が豊かです。話してる側からすると「ものすごい興味津々にオレ(私)の話聞いてくれるな!この人!」と話してるのが気持ちよくなるんです。
この相手の話をどれだけ気持ちを込めて聞けているか、もしくは気持ちを込めて聞いているように相手に見せかけるか、がウザがられるバックトラッキングとそうでない効果的なバックトラッキングの大きな違いなんです。気持ちを込めて聞いてるように見せるには感情を表情や声色で表現する、そういうリアクションを取るのが重要。
相手からすると会話の手を抜いてると思っちゃうからバックトラッキングがウザいって話でしたよね。つまりバックトラッキングを使うけれど手を抜いてるように見えなかければ全く問題ないんです。
ただオウム返しするだけは手抜き感が出る ⇒ 相手からすると自分と会話の熱量が違うからウザい ⇒ きちんと感情出してリアクションを
そうすると例え、相手があなたにバックトラッキングを使われたと気づいたとしても、あなたの反応が気持ちいいから相手は話しててとっても楽しいんですよね。だからウザいとも思わないんです。むしろもっと聞いてほしい!と次々会話が出てくるようになります。
バックトラッキングのコツ
という風にウザいとか意味ないとか言われてしまうバックトラッキングなんですが、それはずばり、完全にやり方を間違っていて相手が会話の熱量の差に白けてしまっているだけなので、もっと傾聴してる雰囲気、具体的にはリアクションを大きく取ることで改善できる、という話でした。
そしてバックトラッキング(オウム返し)は、やり方さえ間違えなければ、上で見た明石家さんまさんの例でみなさんが感じたように「なんでこんな上手に会話を転がせるんだろう」みたいな、会話をとにかく広げてくれるという恋愛面でとても強力な効果があるんです。
なら恋愛に取り入れないという選択肢はないはず。特に片思い中の相手と会話がすぐ尻つぼみになって途絶えてしまう。気まずい沈黙が流れてしまう、という会話ベタな方はバックトラッキングを会話に取り入れることを強くおすすめします。
感情やリアクションで手抜き感を払しょくする、というバックトラッキングのコツをもう紹介しましたが、他にもコツがあるのでそれを今から紹介しますね。
感情のオウム返しが効果的
バックトラッキングを会話に用いる際、例えば、
- 相手:これこないだ買った服なんだー
- あなた:へー、こないだ買った服なんだね
というのもわかりやすいバックトラッキングですよね。
…例文はちょっと感情が乗ってなさすぎるので上で書いたようにきちんと「お、こないだ買った服なんだ!」くらいのテンションでやってくださいね。で、それとは別に、これってただ事実を繰り返しただけでなんだか味気ない感じがしませんか?
バックトラッキングが恋愛でもっとも効果を発揮するのが感情のオウム返し、なんです。
具体的には、相手の言った「いい、悪い、かわいい、楽しい、嬉しい、悲しい、辛い」といった形容詞をオウム返しするだけ。形容詞って人の気持ち、感情を表してるじゃないですか。だから会話中そういった形容詞に意識を向けるだけ。めっちゃ簡単なんですが、これがものすごい効果的。
例えば、
- 相手:これこないだ買った服なんだー
- あなた:お、こないだ買った服なんだ!いいね!
- 相手:安く買えてラッキーだったの
- あなた:え、そりゃ嬉しいなー!
- 相手:うん、でも浮いたお金で別の服買っちゃったんだよね笑
- あなた:はは、別の服も買っちゃったのかー
「え、そりゃ嬉しいなー!」の部分が感情のバックトラッキングです。
形容詞に意識を向けろ!といいつつ例文では相手の言った「ラッキー」に反応してオウム返しで「嬉しいな!」と返してるんで、ちょっとひっかけ問題なんですが、こんな風に相手の感情を共有するというか、相手がその話をしてるときの感情を繰り返す感じです。
- ちょっと整理!
-
バックトラッキングって別の言葉でもいいの?
上の例文はバックトラッキングと言いつつ、「ラッキー」から言い換えて「嬉しい」にしてます。オウム返しっていってるのにこんな風にワードを言い換えてもいいの?という疑問について。
言い換えは全然オッケーです。むしろバックトラッキングは完全に相手の言った言葉をそのままオウム返しするんじゃなくて、例えば要約したり、キーワードを変えたり、倒置法(「服を買ったんだ」⇒「買ったんだ。服を」)を使ったり、ちょっだけ合いの手(「いいね」とか「それでどう思ったの?」とか「続き気になる」)とかを入れてみる方がおすすめ。
それだけじゃなく、例えば話して相手がキーワードこそ口にしてなくてもとても辛そうなら、「○○だったんだね、辛かったね」と相手の感情だと推測されるワードをバックトラッキングに付け足しても全然オッケーです。
まとめ
ここでは本当は会話を広げる上で大きなメリットのあるバックトラッキング(オウム返し)がウザい、意味ないと言われる理由と対処方法についてくわしく紹介しました。
まとめると、
- 会話の手抜き感がウザい理由!相手の話に興味がある事を示すためにリアクションを大きく!
- 恋愛では感情のバックトラッキングが特に効果絶大!
という感じ。
口ベタな人ほどバックトラッキングは会話をスムーズにそして大きく広げてくれる、恋愛に限らずコミュニケーション全般において大きな武器となりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。